君を想う【実話】
もうすぐ瑠奈は、16回目の誕生日を迎える



夏が近づく季節



「誕生日、誰と過ごすの?」


瑠奈は触れるな、という目で隣にいる静を睨む


「じゃぁ学校の後に私達でお祝いしようよ!」


瑠奈にくっついてる綾が微笑みながら瑠奈を見上げた


「そうしよ〜!」


寝転がりながら雑誌を読んでる麻衣は、足をバタバタさせる



今日は珍しく予定があって、久しぶりにみんなで瑠奈の家に集まっていた





誕生日か..




去年の海斗と過ごした誕生日を思い出す



あの時もらったペアリングは、二つ仲良く海斗の金ネックにぶらさがって、今も瑠奈の首元で輝いている



何も知らない男は、よくそのペアリングのことを不満そうに聞いてきた



愛のない行為の前にはそれを必ず外す瑠奈に、不信感を感じるのも無理はない




「ねっ?それでいいでしょ?」


いきなり視界に飛込んできた綾に、訳がわからないまま笑顔で頷く


誕生日会のことなら知らないままのがいい、と思って何も聞かなかった







瑠奈の誕生日―







今年も忘れられなくなるなんて―..






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