君を想う【実話】
そこにお兄ちゃんの友達が走ってきた



「どうだった?」


神妙な面持ちのお兄ちゃん



「けいちゃんは卒業が近いから、謹慎処分だって」


「智也は!?」



瑠奈が割り込むように言葉を挟む




「智也は..自主退学した..」





自主退学?..





智也が?






誰も言葉を発しなかった




瑠奈はよろける体でフラフラと歩きだす



「どこ行くんだよ?」



♪〜



お兄ちゃんの声と、瑠奈の携帯の着信音が重なる



何故か吸い込まれるように、瑠奈は携帯を開いた




「..とも..ゃ..っ」




瑠奈の目から堪えていた涙が溢れ、地面を濡らす





[誕生日おめでとう!
今日は瑠奈にそれだけ言いたくて学校にきた。
ごめんな。せっかくの誕生日なのに暴れて..
俺は留年した時から学校辞めるつもりだった。
でも少しでも瑠奈のそばにいたかった。
傷つけてごめん、俺はもう十分幸せだった。
お前が生まれた日、今日が俺は一番好きだ。
泣くなよ?誰にも負けない笑顔で笑ってろ。
今までありがとう]






ごめんね、智也..







笑えないよ..





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