君を想う【実話】
お兄ちゃんが地面に落ちた携帯を拾い、みんなが覗きこむ



「くせぇー..あいつメール苦手なくせに!笑」


笑いながらも、尚輝の瞳に薄らと涙が浮かんでいた



健一は泣いていた



「お前、すげぇ愛されてんじゃん」


お兄ちゃんが泣きやまない瑠奈の頭を撫でる



「るな..っ、がっこやめる..」



お兄ちゃんは、わかっていたように頷いた



瑠奈の決断は、決まっていた




智也のいない学校は、意味をもたない..






「るなぁーっ!」




静が駆け寄って、瑠奈に抱きつく



瑠奈は、涙を拭って静を見た



優しい笑顔



「聞いたよ..一緒いこ?瑠奈も辞めるんでしょ?」



いつもの明るい声で、瑠奈の手を握る




静は、何でもわかっちゃうんだね..




ありがとう..






「泣くなよ〜静も留年だって言われたから、一緒に辞めるし!」


「えっ!?」



静に手を引かれ、職員室に向かう






瑠奈と静、二人は退学届を受け取った





もう留年が決まっていた二人に、担任は何も言わなかった






こうして、短い短い高校生活が終わりを迎えた―..





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