君を想う【実話】


「明日、色々買いにいくから今日は我慢しろ」


そう言って瑠奈に布団を渡し、拓磨は床に寝転がる


若者の一人暮らしにしては大きい、2LDKの間取り


「ねぇ、床に寝られると罪悪感で寝れないんだけど」


「へぇ、罪悪感なんてあるんだ」


心底感心したように頷く拓磨を布団に引き込む


「お前、積極的すぎじゃね?」


そう言って、布団から出ようともせずに拓磨は笑っていた


「あんたみたいなの始めてだわ..」


チヤホヤされてきた瑠奈に、拓磨のような存在は始めてだった



初対面で馬鹿にされるなんて..



挙句、瑠奈に全く興味のないその態度..



「俺もお前みたいな糞生意気な奴、始めて」


拓磨の言葉を無視すると、すぐに寝息が聞こえてきた


布団の端と端に離れて眠る二人



拓磨が寝返りを打ち、瑠奈のほうを向く




ドキッ―




「かぃ..」



思わず、名前を呼びかけそうになって口を閉じる




綺麗な顔..




安心感を覚えながら、瑠奈は直ぐに眠りについた


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