君を想う【実話】
家に帰り、後から届く家具以外で部屋を揃える


何もなかった部屋から一転して、二人の家が作られた


「なぁ、腹減った」


「わかった。作るよ」


まるで、新婚生活


なんて、甘い空気は全然ないけど楽しかった


拓磨も口は悪いけど、口数は増えていた



「はい、できたよ」


瑠奈はできたてのビーフシチューなどを並べる


拓磨はそれを見て固まっていた


「は?まじお前が作ったの?すげぇー」


「他に誰がいるわけ?」


素直に褒められ、少し照れて可愛くない言葉を返す


「まじうめぇ!いやーいい拾いものしたわ!笑」


バクバクと料理を口に運んで喜ぶ姿からは、いつもの態度を連想できない



人を拾いもの呼ばわりしてるけど..



「つか、お前の荷物も近いうち運べよ」


「面倒だから、お兄ちゃんに送ってもらう」



瑠奈はお兄ちゃんに電話をして、事の成り行きを話す


やっと前に進めたと思ったのか、終始ご機嫌なお兄ちゃんの声



明日にでも送る、と約束して電話を切った




まだ、前には進めない..




そんな事を思いながら振り向くと、拓磨が瑠奈を見つめていた
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