君を想う【実話】
しばらくして拓磨が仕事から帰ってきた


「飯ある?」


「お疲れ、作ってあるよ」


拓磨はそれだけ確認すると、お風呂に入る


その後、一緒にご飯を食べた


「もう時間か〜。いってくんね」


「おう、がんばりや」


拓磨の声を背中に受けて、瑠奈は仕事に向かう



お酒も飲めて男を話術にかけてうまく引っ張るこの仕事は、瑠奈にとって天職だった


小さい店だけど、在籍二十人はいる店で瑠奈は今、No.2を誇る


元々負けず嫌いな性格だから、もちろん目指すはNo.1




「お疲れです〜」


仕事が終わる頃には、ボトルが入ったおかげで酔いも回ってフラフラだった


心配する店長をよそに送りを断って歩いて返る



すると、あの街灯の下に人影がみえた




「たぁ〜くま」



酔ってテンションの高い瑠奈を拓磨は軽く交わす


足元には、煙草の吸い殻が何本もあった


「待ってたの?」


「うるせぇ。お前ちゃんと送りつかえよ」


拓磨はそう言うと、瑠奈の手を取り歩きだす


瑠奈はその手を拓磨のポケットに入れる


ニコニコする瑠奈を拓磨は不自然そうに見たが、気にとめない様子で家に向かった
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