君を想う【実話】
「じゃぁ北海道」
「お腹冷えるから駄目」
さっきから、こんな会話が繰り返される
「もう!なら、拓磨が決めてよ」
瑠奈は拗ねてパンフレットを投げる
「ったく..」
文句を言いながらも拓磨は、投げられたパンフレットに目を通す
「ん〜横浜にするか?夜景の綺麗なクルージングもあるってよ」
「いく!そんなのあったんだ〜」
綺麗な夜景という言葉に瑠奈は即答した
拓磨はすでに、携帯を片手に電話をしている
しばらく何やら話して電話を切った
「今、予約した。二泊三日だからな」
瑠奈は笑顔で頷く
「あっ!明日、静達が家にくるから」
そしてすぐ思い出したように口を開いた
「わかった。俺は仕事でいねぇけど、会えたら紹介してな」
拓磨はそう言って、あぐらをかいた自分の足をポンポン叩く
おいで、という合図
瑠奈はその中に座る
「相変わらずちっちぇーな」
拓磨は身長も高いし、力仕事だからガタイもいい
身長が低く、小柄な瑠奈はスッポリ埋まってしまう
拓磨が後ろからギュッと抱き締める
ここが今の瑠奈にとって、一番心地の良い場所