君を想う【実話】
「瑠奈ばっか撮らないで、二人で撮ろうよ〜」
瑠奈はデジカメを興味津々にいじる
機械音痴な瑠奈には、携帯以外の機械は未知なるものだ
「二人じゃなくて、三人だろ」
そう言って拓磨は瑠奈の肩を自分に寄せ、写真を撮る
後に現像すると、この時の瑠奈の顔が一番幸せそうだった..
「瑠奈、見ろよ!やっぱ夜だとすげぇな..」
二人は大きな窓ガラスにへばりついて、外の景色を眺める
「すごーいっ!」
「これなら、いっぱい流れ星探せんじゃね?」
遠くまで広がる、満天の星空
拓磨は瑠奈が、流れ星に誰を想い、何を願うかを全部知っている
お前の願いは、俺の願いだから―
嫌じゃないのか聞いたら、そう言って笑った
瑠奈が辞めないことも、わかってるうえでのことだと思う
「おい、瑠奈!流れ星っ!」
目の前の広い星空を優雅に駆け抜ける流れ星
智也が幸せになりますように―
瑠奈達、家族三人が幸せになりますように―
欲張りだったかな、と思いつつ横にいる拓磨を見ると、まだお願いをしている
その姿があまりに可愛くて、笑顔がこぼれた