君を想う【実話】
§第24章..絶望§
それからも変わらず、穏やかな日々が流れた



二人で瞳さんのお墓参りにもいった



海斗のお墓参りにいく勇気は、まだない..




「早いよね、もう冬になるんだもん」


夏が終わる頃に毎年恒例の瑠奈の言葉


「秋とばすなよ」


ありきたりな拓磨の反応に笑みがこぼれる



一年ってほんと早い



でもそんな短い一年の間に、環境も生活も変わっていく



隣にいる人も



自分の気持ちも..





「そうそう、これ」


そんなことを考えてると、拓磨が机の上に何かを置いた



「かわいー..」


それは、瑠奈達のペアリングと全く一緒の指輪



小さな小さなベビーリングだった



「家族でお揃いってよくね?」


拓磨は親馬鹿になるだろうな、と思いながらもベビーリングを大切に閉まった



近頃は妊娠のせいか、瑠奈は精神的にも不安定で苛々しがち


でもそんな瑠奈を拓磨は、優しく受け止めてくれる



「早く結婚してぇな」


「籍なんか入れても入れなくても、もう家族だよ」


瑠奈の言葉にそれもそうか、と頷く拓磨




もうすぐなんだから―




そう思ってた..





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