君を想う【実話】
まだ少しぎこちなさが残るけど、普通の生活


海斗の一周忌ももう、すぐそこまできていた




「あ〜ひまだぁ〜」


瑠奈は片手でテレビのリモコンを持ちながら、うなだれる


今日、拓磨は仕事場の飲み会で遅くて一人だった


ふと携帯に目をやる



そういえばあの時、智也から電話きてたよね..



そんなことを考えていたら、いつの間にか眠っていた








「るぅ〜なぁ〜」


体に重みを感じて目を覚ます


「拓磨、酔っ払いすぎだから」


お酒が強くて滅多に酔うことがないのに、拓磨の顔は真っ赤だった


「ほら、ベッドいくよ」


拓磨を引きずって、ベッドに寝かせる


「るなぁ〜好き〜」


「はいはい、瑠奈も好きだから早く眠りな」


酔っ払うとしつこいんだよね、と思いながら瑠奈は拓磨の頭を撫でた



「っ!?」


いきなり拓磨が瑠奈の上に覆い被さる


「ちょ..お酒臭い」


顔を背けて、拓磨を離そうとしてもびくともしない


お酒臭いなんて、ただの言い訳



赤ちゃんが空に還ったあの日以来、キスはしても体を重ねてはいなかった



言葉には言い表せないけど、まだ無理だった



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