君を想う【実話】
二人は家につくと、無言のままベッドに横になった
いつもはすぐに眠るのに、ずっと天井を見上げている拓磨
瑠奈の言葉を待っていることは、わかってる..
でも、言い出せない
瑠奈は本当に弱い人間だ..
拓磨だって弱いのに..
「お前なぁ..俺を寝ないで仕事に行かせる気か?」
拓磨が悪戯に笑いながら、瑠奈を見る
ねぇ、拓磨..
そんな泣きそうな顔して笑わないで
瑠奈の態度が
瑠奈の気持ちが
拓磨を苦しめていた
気付かなくて、ごめんね
辛かったよね..
だから、最後に―
最後に、伝えなきゃいけないことがある―..
「拓磨、大好きだったよ..」
変わりなんかじゃない
「拓磨と瑠奈の子供..一生忘れないから..っ」
ずっと、家族だから
「今までありがとう..」
本当に、大好きだったよ..
二人は、強く強く抱き締めあった
もう、言葉はいらない
お互いの涙とぬくもりで、痛いほど伝わるから―..