君を想う【実話】
「やっぱ瑠奈の料理はうめぇな」
二杯目のおかわりを食べ終わり、拓磨は満足そうな笑顔を見せる
「寒くなるから、コタツだしなね?」
二人で過ごすことができなかった冬も、もうすぐ本番
食事のことも生活のことも全て瑠奈がやってきたから、少し心配がある
「大丈夫だよ」
拓磨は頬杖をついて、瑠奈を優しく見つめた
「..瑠奈、今までありがとな。大好きだから」
瑠奈の手を、拓磨の大きな手が包む
「瑠奈は、一人じゃねぇよ」
いつだって優しく見守ってくれる拓磨の笑顔
「..拓磨も一人じゃないからね」
大きな手をギュッと握り返した
ブーッ―
その時、外から大きなクラクション音
「お兄ちゃん、ついたみたい」
瑠奈はドアを開けて、大きく手をふる
今日は、お兄ちゃんに迎えにきてもらった
拓磨に送ってもらったら、絶対に泣いてしまうから..
お兄ちゃんと拓磨が、荷物を車に積んでいく
その光景を瑠奈は見つめていた
「おつかれさま」
全部を運び終えて、瑠奈と拓磨だけが部屋に残る
少し殺風景になった、二人の部屋