君を想う【実話】
「瑠奈、元気でやれよ」
拓磨が笑顔で瑠奈を見つめる
最初は、ろくに会話もしないで名前すら呼ばなかった二人
そんなことを思い出すと、可笑しくて笑みがこぼれた
「拓磨も元気でね」
瑠奈も笑顔で、右手を前に差し出す
「お互い、幸せになろうな」
その手を拓磨が左手で、しっかりと握った
「拓磨、ありがとう」
何度言ってもたりないけど、拓磨に出会えて本当によかったよ..
「またな」
これは、さよならなんかじゃない
見つめあい、最高の笑顔を交わす
「またね」
二人の手が、ゆっくりと離れてく..
ガチャッ―
ドアを開けたら
もう振り返らない
バタンッ―
「..ぅっ..っ」
糸が切れたように、涙が溢れ出す
しゃがみこんで思い切り泣いた
引き出しの中で見つけたディズニーランドのペアチケット
きっと、半年記念日の..
ドア越しからは、拓磨の泣く声が聞こえてくる
本当に、二人は似ていた
拓磨は永遠に、瑠奈の大切な人―..
"またね"