君を想う【実話】
「るぅ〜」
尚輝が戻ってきて、瑠奈に飲み物を渡す
「ふっ..ありがとね」
当たり前のように買ってくるオレンジジュースに笑ってしまった
その時、またドアが開いて看護婦さんが入ってきた
「あら、柳くんの友達と..彼女さんかしら?」
まだ若そうな看護婦さんの微笑みは、まさに天使
「彼女じゃ―」
「そうでーす!」
否定しようとする瑠奈の言葉を渡って、尚輝は明るく答える
「ふふっ..眠ってても声は聞こえてる場合もあるから、たくさん話かけてあげてね」
包帯やガーゼを器用に取り替えながら、看護婦さんは瑠奈に笑顔を向けた
「えっ!?」
さっき言ったことを思い出して顔が赤くなる
「るぅ、なにしたんだよ」
そんな瑠奈を見て、尚輝はニヤリと笑った
看護婦さんは点滴を変え終わると、ゆっくりしていってねと言って病室を後にした
それからしばらくすると、浜田先輩達もぞろぞろとやってきて、病室はたくさんの人で埋めつくされる
智也を囲むようにして、みんなで面会時間ギリギリまで、話をした
智也に、みんなの声は届いてるかな..
瑠奈はずっと智也の手を握っていた