君を想う【実話】


「はぁ〜」


家に帰り、部屋のベッドに飛び込んで大きな溜め息をついた


自分の部屋なのに、落ち着かない



また、拓磨のいない生活に慣れるまで時間がかかるんだろうな..



そんなことを思うと同時に、何も聞かないお兄ちゃんや両親にも感謝した




「ねぇ、海斗。智也を助けてあげて..」



前と変わらず、ベッドの横に飾った海斗の写真に向かってお祈りする



その横には、瑠奈の二人の子供の写真





もしも、なんて考えたくない..





でも、もし智也が目を覚まさなかったら..?





これ以上、大切な人を失ってしまったら..?






瑠奈は窓から、空を見上げた


キラキラ光る星達



「流れ星なんて迷信なんだね..」


ポツリと呟いて、カーテンを閉めた




瑠奈の頬を涙が伝う




愛する人が目を覚まさない、恐怖や悲しみ




どんなに強がっても信じても、胸が苦しい




自分が変われるなら、どんなに楽なんだろう..





誰にも負けない笑顔で笑ってろ―





智也との約束、ちゃんと守るから..





だから、今だけは許してね..




< 259 / 436 >

この作品をシェア

pagetop