君を想う【実話】
「はぁ〜」
家に帰り、部屋のベッドに飛び込んで大きな溜め息をついた
自分の部屋なのに、落ち着かない
また、拓磨のいない生活に慣れるまで時間がかかるんだろうな..
そんなことを思うと同時に、何も聞かないお兄ちゃんや両親にも感謝した
「ねぇ、海斗。智也を助けてあげて..」
前と変わらず、ベッドの横に飾った海斗の写真に向かってお祈りする
その横には、瑠奈の二人の子供の写真
もしも、なんて考えたくない..
でも、もし智也が目を覚まさなかったら..?
これ以上、大切な人を失ってしまったら..?
瑠奈は窓から、空を見上げた
キラキラ光る星達
「流れ星なんて迷信なんだね..」
ポツリと呟いて、カーテンを閉めた
瑠奈の頬を涙が伝う
愛する人が目を覚まさない、恐怖や悲しみ
どんなに強がっても信じても、胸が苦しい
自分が変われるなら、どんなに楽なんだろう..
誰にも負けない笑顔で笑ってろ―
智也との約束、ちゃんと守るから..
だから、今だけは許してね..