君を想う【実話】
「..誰だかわかる?」
わかるに決まってる
「ごめん、わかんない」
..また嘘
「智也だけど..覚えてる?」
当たり前じゃん
「..うん」
本当に可愛げのない自分に嫌気がさす
「元気だったか?」
「うん、元気だよ」
久しぶりの電話に気まずい空気が漂う
「夜中にごめんな..今から、会えねぇかな」
そう言った電話越の智也の声には、いつもの元気なかった
「別に平気だよ。〇高の近くだから、そこまできてくれれば」
「わかった」
心配だった..
なんて、そんなのは綺麗事で
会いたかった..
急いで用意を済まして、瑠奈は待ち合わせ場所に向かった