君を想う【実話】
「どうしました!?」
最初に会った天使のような看護婦さんが駆け付けてきた
「智也が!」
瑠奈は、智也にしっかりと握られた手を見せる
それを見て、看護婦さんは驚きと喜びが混じった表情を浮かべた
「ちょっと待っててね!主治医の先生つれてくるから!」
急いで出ていく看護婦さんの背中を見送る
「ともやぁ..」
智也は目を覚まさないものの、瑠奈の手をしっかりと握って離さない
数分すると、すぐに主治医の先生が入ってきた
先生も握った手を見て、驚きの表情を浮かべる
そしてすぐに、心拍数や脈拍や色々なチェックにはいった
「もう少し様子をみよう。親御さんにも連絡してくるから、彼女さんは呼びかけを続けてほしい。いいかな?」
「はいっ!!」
瑠奈の返事を聞くと、先生は笑顔を浮かべて病室を出ていった
「智也..」
祈るように智也の名前を呼ぶ
喜びや不安や様々な感情が入り交じり、涙へと変わって瑠奈の頬に流れた