君を想う【実話】


「どうしました!?」


最初に会った天使のような看護婦さんが駆け付けてきた


「智也が!」


瑠奈は、智也にしっかりと握られた手を見せる


それを見て、看護婦さんは驚きと喜びが混じった表情を浮かべた


「ちょっと待っててね!主治医の先生つれてくるから!」


急いで出ていく看護婦さんの背中を見送る



「ともやぁ..」



智也は目を覚まさないものの、瑠奈の手をしっかりと握って離さない



数分すると、すぐに主治医の先生が入ってきた


先生も握った手を見て、驚きの表情を浮かべる


そしてすぐに、心拍数や脈拍や色々なチェックにはいった



「もう少し様子をみよう。親御さんにも連絡してくるから、彼女さんは呼びかけを続けてほしい。いいかな?」


「はいっ!!」


瑠奈の返事を聞くと、先生は笑顔を浮かべて病室を出ていった



「智也..」



祈るように智也の名前を呼ぶ



喜びや不安や様々な感情が入り交じり、涙へと変わって瑠奈の頬に流れた
< 269 / 436 >

この作品をシェア

pagetop