君を想う【実話】
溢れでる涙が、智也と瑠奈の繋がれた手を濡らす



「ともゃぁ..」



繋がれた手に、顔を埋めて瑠奈は泣いた







スッ―






「え..っ?」






智也の手が離れて






瑠奈の頬に触れる..







「とも..」




慌てて顔を上げる





そこには―






笑顔を浮かべる智也がいた..







「瑠奈..なんかしんねぇけど、ごめん。夢じゃ..ねぇよな?」



瑠奈の涙を拭いながら、智也は少し戸惑うように辺りを見回す



「ばかっ!!..ずっと..眠ってたんだょ..」



智也に抱きつき、堪えきれずに声をあげて泣いた



「ごめんな..」



そんな瑠奈を智也はしっかりと抱きしめる



ずっと、頭を撫でていてくれた



「先生呼ばなきゃ」


少し落ち着いた瑠奈は、先生を呼ぶためにナースコールに手を伸ばす


でも、その手は智也によって止められた



「もう少しだけ..」



そう言って、瑠奈を強く抱き締める


瑠奈は小さく頷き、強く抱き締め返した
< 270 / 436 >

この作品をシェア

pagetop