君を想う【実話】
ガチャッ―
「ともっ―..」
勢いよくドアが開いて入ってきたのは、先生とおばさんと美華さんと浜田先輩と数人の仲間
みんなの目に飛び込んできたのは、智也と瑠奈の抱き締めあう姿
「あ..っ」
二人は慌てて離れる
「なんだよ智也!イチャつく元気まであるじゃねーか!」
浜田先輩達は泣きそうな笑顔で、智也に群がった
おばさんは美華さんに抱き締められ、涙を流している
「君のおかげだね」
先生は智也を優しく見つめながら、瑠奈の肩に手を置いた
時間がたつごとに、智也の仲間がどんどん病院に駆け付ける
初めて智也のお父さんにも会った
智也は検査のために、もう一日だけ入院する
「わりぃ、瑠奈と二人にしてもらっていい?」
面会時間が終わりに近づく頃、智也の言葉にみんな笑顔で頷いて出ていった
賑やかだった部屋が一転して、静かになる
「こっちきな」
智也が広げた片手に、瑠奈はスッポリと収まった
点滴も外れて、何も気にせず智也に抱きつくことができる
顔を見合わせると、二人とも少し照れたように笑った