君を想う【実話】





ガチャッ―





「ともっ―..」



勢いよくドアが開いて入ってきたのは、先生とおばさんと美華さんと浜田先輩と数人の仲間



みんなの目に飛び込んできたのは、智也と瑠奈の抱き締めあう姿



「あ..っ」



二人は慌てて離れる



「なんだよ智也!イチャつく元気まであるじゃねーか!」


浜田先輩達は泣きそうな笑顔で、智也に群がった


おばさんは美華さんに抱き締められ、涙を流している



「君のおかげだね」


先生は智也を優しく見つめながら、瑠奈の肩に手を置いた



時間がたつごとに、智也の仲間がどんどん病院に駆け付ける



初めて智也のお父さんにも会った



智也は検査のために、もう一日だけ入院する



「わりぃ、瑠奈と二人にしてもらっていい?」


面会時間が終わりに近づく頃、智也の言葉にみんな笑顔で頷いて出ていった



賑やかだった部屋が一転して、静かになる



「こっちきな」


智也が広げた片手に、瑠奈はスッポリと収まった


点滴も外れて、何も気にせず智也に抱きつくことができる


顔を見合わせると、二人とも少し照れたように笑った
< 271 / 436 >

この作品をシェア

pagetop