君を想う【実話】
§第28章..距離§
それから迎えがきて、無事に智也は退院した


その夜、晴の実家が営む居酒屋を貸し切って智也の退院祝いが開かれた



はたから見れば、すごくガラの悪い集まり



でも実際は、みんな仲間想いで優しい人達なんだよね..



そんなみんなに囲まれて終始、笑顔の智也



その姿を遠くから見ているだけで、瑠奈は幸せな気持ちになる




ただ一つを除いて..




「瑠奈ちゃん、飲まないの?」


「あ..じゃぁカシオレ」


瑠奈の隣で、笑顔を浮かべるのは真二


始まって三時間もたつのに、一度も瑠奈のそばを離れない


真二は智也と同い年だけど、弟みたいで甘えキャラ


「智也んとこいかなくていいの?」


かれこれ十杯近くになるお酒を飲みながら、瑠奈は横目で真二を見た


「みんな智也んとこいるから、一人じゃつまんないでしょ?」


そう言って、ジャニーズ顔負けの笑顔を瑠奈に向ける



気を利かせてくれてるのかな..



そう思って、あまりに気にしないようにすることにした


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