君を想う【実話】
「あ゙〜..っ」
瑠奈はベッドの上で携帯とにらめっこ
ここ数日、ずっとこんな感じ
退院祝いの後、智也からきたのは一回の電話だけ
待つって言った手前、自分からは連絡しにくい..
「はぁ..余計な奴からは連絡くんのに〜」
小さく溜め息をついて、携帯を閉じる
♪〜
途端に鳴り響く携帯
「..かずくん?」
かずくんは前から知り合いで、智也の友達であることを病院で知った
「はーい?」
「瑠奈ちんっ!何やってんの〜?」
いつもやたらとテンションの高いかずくん
「別になーんもっ」
受話器から少し耳を離した
「じゃぁ今から駅前のカラオケおいでよ〜!浜田とかみんないるから〜」
後ろからは騒がしい声が聞こえる
「え〜だるい」
「智也もいるよ?」
電話越しでかずくんがニヤリと笑うのがわかる
「っ..いきます」
半ば強制な誘い
答えなんかわかってるくせに〜..
瑠奈は電話を切って急いで支度をする
しばらくすると、単車の音が聞こえてきた
「かずくん、久しぶり〜」
迎えにきてくれたかずくんの後ろに乗り、カラオケに向かう