君を想う【実話】
「瑠奈ちん連れてきたぞ〜っ!!」
カラオケに着いて部屋に入ると、耳を塞ぐほどうるさい
騒音を掻き消すようなかずくんの声が..
みんなに歓迎されて、浜田先輩に押されるままに智也の隣に座った
「久しぶりっ」
人数が多くて、つめて座っているから智也の顔がやたらと近い
「連絡できなくてごめんな。仕事復帰したから忙しくて」
騒がしい部屋の中で、智也の声だけが耳元で響く
見上げると、大好きな笑顔
ソファの背もたれにかけてある智也の腕が、瑠奈に触れてドキッとする
心臓もたないよ..
何回触れ合っても、智也にだけは慣れることを知らない瑠奈の体
「瑠奈!俺のメールとかシカトすんなよっ」
そんな甘い一時を壊したのは、真二
智也とは逆の瑠奈の隣に無理矢理座り込んだ
「瑠奈、メールとか嫌いだから」
サラッと交わして、更に智也のほうに近寄る
それに気付いた智也が、瑠奈の肩を掴んで自分に寄せた
「俺の隣から離れんじゃねーぞ」
そして、瑠奈だけに聞こえるように囁いた
智也の口が微かに耳に触れ、体が熱をもつのがわかる
暗くてよかった..