君を想う【実話】
瑠奈は真二に軽く背を向けるようにして座っていた


真二のことが嫌いなわけじゃない


むしろ弟みたいな感じ



でも..



浜田先輩の視線が怖いんだもん..



他の人だったら平気なのに、真二はダメ


それが何を示すかもわかってる



瑠奈だって自分を可愛がってくれてる人と、好意を抱いてる人の区別くらいすぐにつくつもりだ



でも、真二はこういうキャラだし..



そんなことを考えているうちに、周りは酔っ払いに変わっていた



何故か人数も減っている気がする



「るなぁ〜」


智也は瑠奈をひょいと持ち上げて、自分の膝に向かいあわせになるように座らせた


「もぉ〜飲みすぎ!」


少し怒り声で言うと、智也が唇を尖らせてシュンとしながら瞼を閉じる



可愛い..



「平気?」


今度は優しく、あやすように頭を撫でる


智也がコクンと頷く



ヤバい..



酔っ払った智也、可愛すぎ..



若干、男のような思考回路で抱き締めたい衝動を抑える



「..はぁっ!?」


気が付けば、部屋には二人だけ


扉の向こうでは浜田先輩が意地悪な笑顔を浮かべて、手を振りながら消えていった
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