君を想う【実話】
家に帰って一人になっても、智也の言葉を思い出すだけで顔が緩む



あれは、告白として受けとっていいのかな..?



枕に顔を埋めて考える



何だか眠くなってきた..




♪〜



「智也だっ!!」



瑠奈は飛び起きて、すぐに携帯を手にとる



「わりぃ。寝てた?」


「全然っ!」


智也の声を聞いて、眠気も何処かに吹っ飛んだ



「..今日、ごめんな」



いつもより少しトーンの低い声


思いもよらない言葉に瑠奈は首をかしげた


「なにが?」


瑠奈の問いに、少しの沈黙が流れる













ツーッツーッ―





携帯から流れる無機質な機械音



瑠奈は携帯を片手に、天井を見上げていた



涙が耳まで伝ってくる





あの沈黙の後に、智也の口から出た言葉..






今日のことは、全部忘れて―






冷たい声が、頭から離れない





今日の言葉もキスも




無かったこと..?






なんで―






突き放すように切られた電話





訳がわからず、泣くことしかできない






忘れるなんて、できないのに―..





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