君を想う【実話】
「こんな幼なじみだと、ろくなことねぇからな」
浜田先輩..
いや、雅哉がみせる久しぶりの幼なじみの顔
まるで昔を思い出しているような遠い目
二人が幼なじみを封印した理由は―
今になっても正確にはわからない..
真二は納得いかなそうな顔で、雅哉と瑠奈を見てる
「もう知っちゃったし、雅哉でいいでしょ?」
実際、数年たった今も先輩なんて呼びなれない
「..そうだな」
窓の外を眺めながら、雅哉は笑う
智也とは、一瞬だけ目があったような気がした..
「じゃぁ〜そろそろ本題はいりますか」
雅哉の声に体がビクッと反応する
「智也、お前なんで瑠奈のこと避けてんの?」
智也は睨むように雅哉を見ると、すっていた煙草を消した
「避けてねぇよ」
耳を塞ぎたくなるような、あの冷たい声
ねぇ、今どんな顔で言ってるの..?
怖くて顔を上げることができない
「雅哉..瑠奈は平気だからいいよ」
精一杯、明るく言った
多分、真二だけが状況を飲み込めずにいるのだろう