君を想う【実話】
「瑠奈はいいから」
部屋に、ストーブの燃えるような音だけが静かに聞こえる
このメンバーを見た時から、こんな展開を予想していた..
「俺、お前のこと見損なったわ。お前が守りてぇのはなんなんだよ」
決して怒鳴るわけでも悲しむわけでもない、淡々とした話し方
雅哉の真剣な表情に、智也も目を反らすことはできないようだった
「瑠奈か?ツレか?結局、お前自身だろ」
雅哉の言葉に、智也が拳を強く握り締めるのがわかる
「頭冷やせよ。それとも、お前の瑠奈への気持ちはその程度なのか?」
「違―..っ!!」
言いかけた言葉を飲み込んで、智也は切な気な表情をみせた
智也は何に苦しんでるの..?
聞きたいのに
抱き締めたいのに
智也が遠い―..
「..おい真二、煙草買いにいくぞ」
「えっ!?」
そう言って、真二の腕を掴んで雅哉は部屋を出た
階段を下りる音と真二の声が徐々に小さくなる
部屋には、二人だけ
その愛しいはずの空間が
今の瑠奈には息苦しかった..