君を想う【実話】
「..半端な気持ちだからとかじゃねぇから」
どれくらいの時間がたったのか..
重い空気を壊したのは智也だった
少しぶっきらぼうなその言葉
それだけで涙がでそうになる..
「うん..」
それしか言えなかった
「忘れてほしいなんて思ってねぇよ」
顔を上げれば、きっと智也は少し困ったような優しい笑顔を浮かべてる
瑠奈はわかっていなかった
今までの二人を思い出せば
こんなにも..
こんなにも簡単な答えだったのに―..
「..なんで?」
ただ一つ、その理由が知りたい
「それは..」
ガチャッ―
「やべっ、早かった?」
雅哉が二人の様子をみて、もう一度ドアに手をかけた
「浜田、わりぃな。もう平気..だよな?」
智也が謝りながら、瑠奈に視線を送る
「うん。雅哉、ありがとね」
笑顔で頷き、雅哉を見上げた
「さっきは言いすぎた。ちゃんとわかってっから」
「おう、ありがとな」
智也と雅哉は、何事もなかったように笑いあう
何故か、雅哉の後ろにいる真二を見ることができなかった