君を想う【実話】
みんなでストーブを囲むようにして座った


外にいた雅哉達は、手と鼻が赤い



「智也達..付き合ったの?」


真二はストーブに手をかざしながら、瑠奈を見た



答えに迷う..



「まだだよ。瑠奈、あと少しだけ待っててな」


変わりに智也が答えて、瑠奈の頭を撫でる



「うんっ」


泣きそうな笑顔で頷いた



そんな二人を雅哉は暖かく見守る




「..俺、帰るわ」



真二は走るように部屋を飛びだした



「おいっ!」


雅哉の声も虚しく、外からバイクの音が鳴り響く




どんどん遠くなる音に




海斗を思い出した..





「あいつ、まじだったんだな..」


智也は窓の外を見つめて、悲しそうに呟いた



「しょうがねぇよ。みんなが幸せになんてなれねぇんだから」


雅哉が智也の肩を叩く





瑠奈は何も言わなかった





言えなかった..





本当は、前から気付いていたんだと思う





真二の気持ち..





都合が悪いから、気付かないフリをしていたのかもしれない





こんなズルイ瑠奈が





幸せになんて





なれないよね..





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