君を想う【実話】


「仕事だったから遅れちった」


川沿いに二人は並んで腰を下ろす



「待ってた..でも、こないと思った」



瑠奈は智也の肩に頭を預けて、星空を見上げた



少し離れたところには、大きなツリーが見える




まるで、この世界に二人しかいないような..




そんな静けさ





「..待たせたけどさ」




智也の手が瑠奈の頬に触れる



繋いでない手は、少し冷たい





「俺だけのお前でいて」




ずっと




ずっと待ってた言葉





「..もう離さないでね」




涙を堪えながら、繋いだ手をギュッと握った





「好きだよ、瑠奈。愛してる」




そう言って、月明かりに照らされた智也の笑顔は



今まで見た、何にも変えられないほど




とても綺麗だった..





きっと今、瑠奈は世界で一番幸せだと思う




智也の胸の中で静かに涙を流した







海斗..





拓磨..





あなた達のおかげで





瑠奈は、もう一度





愛する人の腕の中に





戻ることができたよ..






ありがとう―..





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