君を想う【実話】


「心配かけやがって!でも、おめでとな」



雅哉の家に戻ると、みんなに祝福された



だいたいの人は、二人の気持ちに気付いていたらしい



瑠奈と智也は顔を見合わせて、照れたように笑った




「二人にカンパーイッ!!」



威勢のいい声と共に、無数の缶がぶつかりあう



つぶれて寝ている人達もいたけど、起きている人達で細やかながらにも二人のお祝いをしてくれた



「このケーキ誰が持ってきたー?」



冷蔵庫を開けながら、雅哉が尋ねる


瑠奈はハッとして、ケーキを作ってきたことを思い出した



「それ瑠奈の〜!みんなで食べよっ」


瑠奈がそう言うと、雅哉がケーキを運んでくる


「手作り?」


「一応そうだけど..」


それを聞いた智也は、子供みたいに目を輝かせた



おいしそうにケーキを頬張る姿が可愛らしい



瑠奈も少し食べて、その出来栄えに大満足




「クリームついてる」



智也がそう言って瑠奈の口元をペロッと舐めた



それを見ていた雅哉達のニヤニヤした顔に、瑠奈は何も言えず真っ赤になる





そんな光景さえ




今の瑠奈には、幸せだった




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