君を想う【実話】
「お前等、この後どうする?」
雅哉は寝ている人達に毛布をかけながら、瑠奈達を見た
仕事や学校のある人達は徐々に家路につく
「俺も帰るよ。仕事だし」
その言葉に、瑠奈から笑顔が消えてうつ向く
もっと一緒にいたかったな..
「なっ?」
そんなことを思っていると、いきなり目の前に智也の顔が現れる
「え?」
「だーかーら。一緒に俺んち帰るだろ?」
そう言って瑠奈の頭をクシャりと撫でた
それを脳が理解するのに時間がかかる
一緒に..
「..ぅんっ!!」
瑠奈は叫ぶように頷いた
「じゃ、またね」
雅哉達に別れを告げる
外はさっきよりも寒さを増していた
智也がバイクの中から、ベンチコートを取り出して瑠奈に渡す
「平気!智也のが寒いでしょ」
受け取らないでいると、無理矢理コートを羽尾らせられる
「後ろであっためろよ」
智也はそう言って、無邪気な笑顔を浮かべた
ブォンブォンッ―
独特なエンジン音が響き渡る
星空の下、智也の大きな背中をギュッと抱き締めた