君を想う【実話】
それからしばらくは色々なことを話しながら、初日の出を待った



「寒くねぇ?」


智也が抱き締める腕に力を込める



「うん、平気」


瑠奈は笑顔で頷いた



寒いはずなのに、智也に包まれた体は暖かい




徐々に空は明るくなって、待ち焦がれた瞬間がやってきた





何色とも言えない空の色





少しずつ光が放たれる





眩しくて少し目を細めた





二人は思わず息を飲む





あまりに美しい、その光景に..




言葉が出なかった





今、この景色を見てるのは世界中で二人だけ





風の音だけが聞こえる





「..すげぇ」




日の出が全部顔を出す頃、智也が口を開いた



「うん、感動した」



瑠奈は頭を後ろに倒して、智也を見上げる



「どうした?俺のほうがいい?」



そう言って、智也は笑顔を浮かべた





本当に..




夜景も日の出も、智也の笑顔には適わないな..





瑠奈も笑顔を浮かべると、自然に二人の唇が重なった




少しの余韻に浸りながら、何度も唇を重ねる




眩しい光が、二人を照らした
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