君を想う【実話】
そのままみんなで初詣に行った



順番がきて、お賽銭を入れて手をあわせる





瑠奈の大切な人達が、みんな幸せでいられますように..





片目を開けてチラッと横にいる智也を見ると、真剣にブツブツと何かを言っている




「智也、さっき声でてたよ」



おみくじに並んでる途中、瑠奈は笑いながら言った



「えっ!?ま、まじで!?聞こえた!?」


智也は物凄く慌てながら、瑠奈の肩を掴む



「聞こえてないよ」


「よかったぁ〜〜っ」


安堵の声を漏らす智也に、瑠奈は思わず吹き出した



「笑ってんじゃねぇよ」


真っ赤な顔で睨む智也は、全然怖くない



ごめんごめん、と笑いながら瑠奈は謝った




瑠奈達の番になって、おみくじを引く



二人とも末吉で、顔を見合わせて苦笑い



紐にしっかりとおみくじを結んだ




「転ぶなよ」



人混みの中、瑠奈を守るように抱き寄せながら歩く智也






今年も..





来年も再来年も





ずっと、ずーっと





智也のそばにいられますように―..






そんな智也を見つめながら、心の中でそっと願った




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