君を想う【実話】
「昔から、好きな女ときたかったんだ」
智也はバイクを止めて、少し照れたように笑った
着いた先は、観光地でもあるデートスポット
何度かきたことはあるけど、好きな人とくるのは瑠奈も初めて
二人は手を繋いで、子供のようにはしゃぎながら遊園地や水族館を回る
買い物したり、ご飯食べたり、あっという間に辺りは暗くなった
「楽しかったか?」
「楽しかった!」
繋いだ手をブンブンとふりながら、笑顔で顔を見合わせる
海岸沿を歩いて、智也は砂浜に腰を下ろした
「おいで」
あぐらをかいた自分の膝を叩いて、瑠奈を呼ぶ
瑠奈はちょこんとその上に座った
目の前には海が広がる
あんなに賑やかだったのに、今は波の音しか聞こえない
空には、もう星が出てる
「流れ星、流れないかなぁ」
瑠奈がポツリと呟く
「流れ星は、誰かの願いが叶った時に流れんだよ」
瑠奈の髪に手を通しながら、智也も空を見上げる