君を想う【実話】
「智也..」
そこには、仕事帰りの智也が立っていた
「お前、人の女に何してんの?」
瑠奈の声すら耳に届かないように、智也の顔は怒りに満ちてる
本気でキレてる..
「智也っ!なんでもないから」
瑠奈は今にも女の子に掴みかかりそうな智也を止める
「..なんで..なんでその子なの!」
女の子は智也の腕にしがみついて声をあげる
コンビニの店員さんが様子を見にくるほどに、異様な光景だった
「お前には関係ねぇ。俺が選んだ女なんだよ」
智也は女の子の手を振り払って、瑠奈の肩を抱き寄せる
「前にも言ったよな?俺は瑠奈以外を好きになんかなれねぇから」
智也がそう言うと、女の子は力なくしゃがみこんだ
「これ以上、俺にも瑠奈にも迷惑かけんな。次はまじで許さねぇからな」
智也は瑠奈の手を取り、歩きだす
瑠奈は女の子が心配で、何度も後ろを振り返った
最初はあんなに腹立ったのに、今は女の子に同情してしまう
あの子も瑠奈と同じ
ただ智也が好きなだけだったんだよね..
しばらくすると、女の子が去っていくのが見えた