君を想う【実話】
橋にバイクを止めて、智也と手を繋ぐ


川沿いにおりると、地面は一面ピンク色の絨毯


家族連れやカップル、様々な人達がお花見をしている



「お前等、おせぇ〜よっ!」


場所取りをしていた晴達からのブーイングが聞こえてきた


「超いい場所じゃん!」


「だろ?任せろって」


晴の顔が笑顔になり、得意気な顔をみせる



周りよりも一際大きな桜の木



その下には、既に三十人ちかくの智也の仲間達が集まっていた


何枚もひかれたレジャーシートの上に、瑠奈達は腰を下ろす



「智也、瑠奈。久しぶりだな!」


「真二っ!久しぶりじゃねぇか!元気だったか?」


久しぶりの真二の姿に、智也は興奮気味


真二は特に変わった様子もなく、相変わらず可愛い笑顔を振り撒いていた



「はい、注目っ!!みんな集まったみたいだし、始めるぞっ!」


雅哉がそう言ってビールを持った片手を上げた


その声に、自然とみんなは山のように積まれたお酒に手を伸ばす



「「カンパーイッ!!」」



大きな声と同時に、缶のぶつかりあう音が高らかに鳴り響いた



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