君を想う【実話】
「腹減ったぁ〜」
少し酔っ払った智也が、瑠奈の膝に寝転がる
「お弁当食べよっか?」
瑠奈がそう言うと、雅哉が用意してくれた
「すげぇじゃん!」
「瑠奈、ゴチになりま〜す!」
みんなお腹が減っていたらしく、早速お弁当に手を伸ばす
作りすぎたかも..なんて、心配もいらないみたいだ
「ほら、口開けろ」
智也が半分食べた唐揚げを瑠奈の口に入れる
「まじうまい。大変だったろ?ありがとな」
そして、瑠奈の耳元で小さくそう囁いた
なんだか恥ずかしくて、残ったお酒を一気に飲む
ふと空を見上げると、一番星が見えた
いつの間にか、騒がしかった周りの花見客達も徐々に減っている
「俺、便所〜」
智也がトイレに行って、しばらくして瑠奈もトイレに向かった
少し二人で桜見たいな、そう思いながら桜道を歩いた
「智也〜?」
でも、トイレについても智也の姿が見あたらない
道が二つに別れてるから、行き違いになったのかもしれない..
歩いたらお酒が回ったのか、体がフラつく
瑠奈は諦めて、トイレに入った