君を想う【実話】
それからすぐに、後ろから足音が聞こえた


瑠奈の体が強ばる



「おい、何してんの?」


振り向くと、そこには雅哉が立っていた



多分、トイレにでもきたのだろう..



「って、何で泣いてんだよ!?」


その言葉に、初めて自分が泣いていることに気付いた



「どうした!?なんかあったか!?」


雅哉は心配そうな表情を浮かべて、瑠奈の肩を掴む



「..言わなきゃわかんねぇだろ?」


そして、何も言わない瑠奈の頭を優しく撫でた



その行為に、何故かまた涙が流れる



「..キス..しちゃった..っ」



その瞬間、雅哉の顔色が変わった



「..真二か?」



瑠奈は鼻をすすりながら、コクンと頷く



「あいつ..」



雅哉は下唇を噛み締めて、瑠奈の唇を自分の服で拭いた


瑠奈のグロスが服に光る



「お前はここにいろ」



それだけ言って、雅哉は物凄い勢いで走りだした




智也に会わす顔がない..




瑠奈は何も考えられず、ベンチにうずくまる




「瑠奈っ!」



しばらくすると、亜季が駆け付けてきた



今にも泣きそうな表情で、瑠奈を抱き締める


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