君を想う【実話】



「なぁ、ちっと真面目な話していい?」



他愛もない話を交わす中、智也がそう切り出した



真剣な眼差し..



でも、優しい眼差しで瑠奈を見つめてる



「..うん?」



なんだろう、と思いながら小さく頷く



返事を聞くと、智也は一呼吸して空を見上げた



「..俺、本気で好きになった女って瑠奈が初めてなんだよ」



煙草の煙に少し目を細める


その横顔を見つめながら、瑠奈は黙って頷いた



「だから、お前のこと全部受け止めてぇの。辛いことも悲しいことも、俺が支えてやりてぇんだよ」



川の流れる音と、智也の声しか聞こえない



瑠奈の心を暖かく包む、智也の言葉..




泣きそうになるのをグッと堪えた




「泣きたい時は泣け。お前は弱くていいんだよ。俺が守ってやんだから」




智也は瑠奈を抱き締めて、そう言った



見上げれば、優しく笑う智也の笑顔




なんで智也は瑠奈の気持ちがわかるのかな..




欲しい言葉を



欲しい物を




全部くれる..






抱き締める力強い腕も




髪を撫でる大きな手も




全部が愛しくて、涙が溢れた..




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