君を想う【実話】
「智也と仲良くやれよ?俺は、いつでも瑠奈のそばにいっから」
幼馴染みとして、そう付け足した雅也
「..ありがとう。雅也のこと、本当に大切だから」
瑠奈がそう言うと、雅也は少し照れたように笑った
瑠奈は本当に幸せ者だね..
いつの間にか、真っ暗な空に月が出ていた
しっかりと輝きを放ち、瑠奈達を照らす
「よし、帰るか!ほら..」
雅也が瑠奈の前に手を差し出した
「お前、この階段恐くておりらんねぇだろ?」
瑠奈はハッとして階段を見下ろす
昔から、急な作りになっているこの階段を登ることはできても、おりることができなかったっけ..
「お願いします」
差し出された手に、手を重ねる
ゆっくり足を進めてくれる雅也の背中を見つめながら、一歩ずつ階段をおりた
不思議と恐くないのは、大人になったからかな..?
入った時と同じように裏口から出て、車に乗り込む
「お前太った?アクセル重いんだけど」
「雅也の車がポンコツなんでしょ!」
いつもと変わらない二人の会話に、二人の笑顔
それはきっと、雅也のおかげだね..