君を想う【実話】
唇を離すと、智也は瑠奈を強く抱き締めた



胸が圧迫されて、少し苦しい



「..智也?」



やっぱり今日の智也は、いつもと違う..



いつもなら居心地のいい沈黙が、何故か重く感じる




「浜田は、すげぇな..」



沈黙を破り、微かに聞こえた声



「え..」


「あの日、浜田から連絡があったんだ」



瑠奈は、雅也の名前が出たことに驚いたが、すぐに察した



同時に、智也に元気がなかったわけも..




「俺..多分、ずっと前から浜田の気持ちに気付いてたんだよ..」



智也は瑠奈から体を離して、隣に寝転がった



ベッドがギシッと音をたてて軋む



「あいつ、謝っててさ..謝らなきゃいけねぇのは、俺なのにな..」



智也はそう言って、天井を仰いだ



その横顔が、なんだか切なくて、胸が苦しくなる




まさか智也が、雅也の気持ちに気付いてたなんて..





それなのに、瑠奈は..





瑠奈は、雅也の近くにいすぎたのかな?





もしかしたら、気付かないフリをしていただけなのかもしれない..





居心地のいい"幼馴染み"を失わないために..





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