君を想う【実話】
§第36章..夢§
それからしばらくすると、智也の仕事もだいぶ落ち着いた




もうすぐで、智也と出会ってから4度目の夏―..




「はぁ..」



瑠奈は、梅雨の雨空を見上げながら溜め息をついた



「今年は雨かな..」



明日は瑠奈の誕生日



梅雨生まれなのに、一度も誕生日に雨がふったことがない



そんなことでも、瑠奈にとっては小さな自慢



雨の音に耳を澄ませていると、眠くなってきて瞼を閉じた




♪〜



一瞬、ムッとした後に、智也だとわかって携帯に飛び付く



[てるてる坊主つくっとけよ!俺もつくるから]



そのメールを見て、思わず吹き出してしまった



可愛いなぁ、なんて思いながらすぐに返事を打つ



ほとんど毎日会ってるのに、智也は仕事中でもかかさずにメールをくれる



ほんとに智也は、昔から何一つ変わらない..



煙草に火をつけて、もう一度、空を見上げた




風邪ひかないかな..



なんて、何をしてても智也のことを考えてしまう



「あっ!てるてる坊主つくらなきゃ」



瑠奈はベッドに寝転がって、ティッシュに手を伸ばした




明日は、晴れますように―..




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