君を想う【実話】
「..っ!るーなっ!」
「..ん?」
瑠奈は目をこすりながら、重い瞼を開ける
「..と、ともやっ!?なんでっ!?」
目の前には、智也の姿
雨に濡れたのか、いつもはツンツンの髪が、リーゼントみたいになっている
作業着もびしょ濡れで、智也は寒そうに体を震わした
「なんでじゃねぇよ!連絡つかないから心配しただろ」
智也はそう言って、寝起きの瑠奈の頭を軽く小突いた
大袈裟に頭を押さえると、視界に入った作りかけのてるてる坊主
どうやら、瑠奈は作りながら眠ってしまったらしい
「ごめんね!風邪ひいちゃうから、お風呂入ってきていいよ」
瑠奈がそう言うと、智也は少し考えてから、悪戯な笑顔を浮かべた
この顔は..
危険を感じた時にはもう遅く、智也に抱き締められていた
「濡れちったな!一緒に入んねぇーと」
「馬鹿智也..」
智也を見上げると、髪の水滴が、瑠奈の頬に落ちてきた
「早くしないと風邪ひくぞ?」
でも、楽しそうに笑う智也に、瑠奈もつられて笑ってしまう
二人は冷えた体を温めるため、一緒にお風呂に入った