君を想う【実話】
「ん〜..ともやぁ..」
瑠奈は手を伸ばしかけて、ハッと目を覚ます
自分の寝言で目が覚めた
恥ずかしくて、伸ばしかけた手で髪をかきあげる
かけられていた布団が落ちて、自分の素肌が露になった
どうやら行為の後、そのまま眠ってしまったみたいだ
でも、隣にいるはずの智也の姿がない..
トイレかな、なんて思っていると、机の上に置いてある手紙に気付いた
「..おはようハニー..今日、誕生日会やるから、起きたら浜田宅集合..俺は、やっぱり今日が一番好きだな..愛してる..」
お世辞にも綺麗といえない字を、指でなぞりながら読み取る
自然と口元が緩んだ
ただの一枚の紙切れが、何故かとても愛しくて、折りたたんで大事に閉まった
時計に目をやると、ちょうど昼を過ぎた頃
みんなが誕生日会の準備をしてる姿が、頭に浮かぶ
誰かの誕生日会の時は念入りに準備して、夕方くらいから始まるんだよね..
そんなことを考えながら、ゆっくり支度をしようと思って、煙草に火をつける
ふと窓の外を見ると、昨日の雨が嘘のように、雲一つない青空が広がっていた