君を想う【実話】
パンパーンッ―
「「誕生日おめでとーっ!!」」
ドアを開けると、みんなの笑顔が広がる
クラッカーの音とみんなの声に、瑠奈は一瞬固まったが、すぐに笑顔に変わった
「みんな、ありがとおっ!」
綺麗に飾りつけされた部屋
たくさんの料理
そして何より
みんなの笑顔に
胸が熱くなった
隣にいた智也が、今にも泣きそうな瑠奈の頭をクシャッと撫でた
見慣れた顔ぶれを見渡すと、雅也や晴達に、お兄ちゃん達、静達までもが集まっている
「じゃぁ、始めるぞ!」
その智也の一言で、瑠奈の誕生日会が始まった
みんなでお酒を飲んで、ご飯を食べて
静達が作ってくれたケーキを食べて
抱えきれないほどのプレゼントをもらって
涙が出るほど笑って
大好きで大切な仲間達に囲まれて
瑠奈はまた一つ、大人に近付いた
みんな..
本当にありがとう
そして―
ごめんね..
みんなの笑顔の裏に隠された想いに
気付けなかった..