君を想う【実話】
誕生日会が終わったのは、もう深夜に近かった


「気をつけろよ!」


「おやすみー!」


「みんな、今日はありがとねーっ!」



みんなと別れて、智也とお兄ちゃんと一緒に家路につく


部屋に入ると、飲みすぎた瑠奈と智也は、すぐにベッドに倒れ込んだ



「何ニヤニヤしてんだよ」


一人で微笑む瑠奈を、智也は不振そうに見る


「だって、嬉しいんだもんっ!」


瑠奈はそう言って、指輪のはめられた左手を天井にかざした



「結婚したら、大きな式あげようね!」


無邪気に笑いながら、智也の顔を覗きこむ



「おう!瑠奈のウェディングドレス姿、早くみてぇな」


智也は瑠奈を抱き締めて、優しい声でそう言った




表情は見えなくても、智也はきっと幸せそうに笑ってる..




そう思った








ねぇ、智也..







あなたは..






どんな顔をしてた?






どんな想いで、プロポーズをしてくれたの?








二人の夢は..







夢みた未来は..








もう戻らない―..







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