君を想う【実話】
「気をつけてね。明日も仕事がんばって!」
「おぅ。夜中は危ねぇから、出歩くなよ」
夜になり、帰る智也を玄関まで見送る
もう随分と、見慣れた光景
「じゃぁ、またな。おやすみ」
智也は片手を瑠奈にあげて、バイクを走らせる
瑠奈はエンジンの音が聞こえなくなるまで、智也の背中に大きく手をふった
一人、部屋に戻ると、昨日寝すぎたせいか、目が冴えてる
「明日は仕事ないし..」
携帯を見ながら、溜め息混じりに呟いた
瑠奈は、地元に戻ってきてから、先輩の仕事などをバイト感覚で手伝っている
「はぁ..」
面白くもないテレビをつけては消すの繰り返し
でもすぐに、それにも飽きて、ベッドに寝転がった
まだ微かに残る、智也の香水の匂いが心地よい
さっき別れたのに、もう智也に会いたい..
時計を見ると、ちょうど日付が変わる頃
コンビニ行って、雑誌でも買ってくるかな..
そう思い、起きあがって薄手の上着を羽尾る
そして、財布と携帯だけを手に持って家を出た