君を想う【実話】
「わかってる..でも..」
男の手が、瑠奈の頬にそっと触れた
指先の冷たさに、体がビクッと退けぞる
「..諦められない」
「ぃや..っ!」
その体を片手で引き寄せるようにして、力任せに重ねられた唇
逃げるように顔を背けた
「お願い..辞めて..」
瑠奈の脳裏に、フラッシュバックのように、レイプされた記憶が蘇る
微かに震える体を自分の腕で、しっかりと抱き締めた
「..なんでだよ..」
自分が拒絶されたと思ったのだろう
男は数回、拳をハンドルに叩きつけた
ガタンッ―
「きゃっ!?」
いきなり体を預けていたシートが倒れて、瑠奈の体はバランスを失う
男は瑠奈を押さえるように、上に乗っていた
「もぉ、やめてよねーっ!」
明るくそう言って、起き上がろうとした瞬間、両手を掴まれた
そこで改めて、自分のおかされた状況に気付く..
両手を掴まれて、足はダッシュボードと男の体のせいで身動き一つとれない
カチャカチャと金属が重なりあうような音
ベルトで手首を縛られてるのに気付くのに、そんなに時間はかからなかった