君を想う【実話】
「..ねぇ、智也」
何度、体を重ねただろう
乱れた呼吸を整えて、瑠奈は智也の胸に頭を預けた
裸のまま、お互いのぬくもりを感じあう
智也の全てを、この体に覚えさせておきたい..
「どうした?」
こんなに幸せな時間を
「智也..」
こんなに愛しい人を
「..別々に..生きていこう..」
手放さなきゃいけない
「ごめんね..っ」
涙がこぼれないように、下唇を噛み締めた
瑠奈の選んだ答えが正しいかなんて、誰にもわからない
きっと、正しい答えなんてどこにもない
それでも..
それでも瑠奈は..
「智也..愛してる..」
愛してるから..
「別れよう..」
智也だけは―
智也の笑顔だけは
瑠奈が守るよ..
「今まで..ありがとう」
繰り返す運命を
智也に背負わせるわけには、いかない..