君を想う【実話】


「ん..」


瑠奈は眩しい光で、目を覚ました


「..えっ!?」


隣にいるはずの智也がいなくて、慌てて飛び起きる



「ははっ!寝呆けすぎだろ!笑」


その声に振り返ると、智也がソファで笑っていた



よかった..



瑠奈の口から、安堵の溜め息が漏れる



こんなんで、これから本当に大丈夫なのかな..



そんなことを考えて、苦笑いを浮かべた



「瑠奈、おいで」


瑠奈が服を着てると、智也が自分の膝を叩いて瑠奈を呼んだ


瑠奈は、あぐらをかいた智也の足の中に飛び込む



最後まで、いつも通り..



智也らしいね..



智也の手が、瑠奈の髪を優しく撫でる



「元気でやれよ」



そして、瑠奈の長い髪を指に絡ませながら、そう呟いた



「うん、智也もね。たまには連絡してね」



瑠奈は智也の胸を軽く小突いて、笑顔を作る


その手を、智也がギュッと握った



「..それはできねぇよ」



一瞬、時が止まったように聞こえた智也の悲しそうな声



「そ..そうだよね」



無神経な自分の発言に後悔した



当たり前だよね..



そんなこと言う権利、瑠奈にはない



< 390 / 436 >

この作品をシェア

pagetop